身体は大人、心は子ども③

中学校の制服はほとんど袖を通すこともなく、卒業式の日を迎え

体育館での卒業式に出ることはできなかったが

卒業式終了後に別室での卒業式が予定されていた

しぶる息子を何とか起こし、制服を着せて学校まで半ば引きずって行った

せっかく先生方が設けてくれた卒業式

行かなかったら将来後悔することになるだろうと思ったから、どうしても出席させたかった

息子以外にも数名分の椅子が用意されていて

そこで初めて不登校なのが息子だけではないと実感した

息子も自分だけではないことがわかり、少し険しかった表情が和らいだように見えた

校長先生から卒業証書を受け取り、担任の先生や教科担当の先生から言葉をかけられている息子を

見て涙をこらえることができなかった

恥ずかしいのと嬉しいのとが混ざったような照れた表情の息子を見て

無理やりにでも学校に連れてくることができて、本当によかったと感じた

この場を設けてくれた先生方には感謝しかない

ささやかではあるけれど、とても温かい卒業式だった

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